なぜ広葉樹と針葉樹で薪の燃え方に差が出るのかのマニアックな解説付き

薪の選び方で 焚き火が変わる!記事のサムネイル画像 キャンプ知識

【初心者向け】広葉樹と針葉樹、薪の種類によって焚き火は変わるんです

こんにちは、とりのすです。

キャンプといえば、やっぱり焚き火が楽しみのひとつですよね。
夜の静けさのなか、パチパチと薪がはぜる音を聞きながら過ごす時間は、とても贅沢で特別なもの。

でも実は、「どんな薪を使うか」でその焚き火の快適さや楽しみ方が大きく変わってくるんです。
初心者の方にとっては、「とりあえず薪があれば燃えるでしょ?」という感覚かもしれませんが、
薪にはそれぞれ特徴があり、用途に合わせた使い方をすると、焚き火がもっとスムーズに、もっと楽しくなります。

この記事では、「広葉樹」と「針葉樹」という2つの薪の違いについて、
初心者の方向けにやさしく、そしてちょっとマニアックに深掘りしていきます。

こんな人におすすめ!
焚き火がうまく続かない
・どんな薪を買えばいいか悩む
なぜ針葉樹と広葉樹で燃焼時間が変わるのか知りたい

広葉樹と針葉樹って、どう違うの?

薪には大きく分けて「広葉樹」と「針葉樹」という2つの種類があります。
これは木の種類によるもので、それぞれに特徴があり、
使い方を間違えると「火がすぐ消えてしまう」「うまく燃えない」など、思わぬ苦労をすることも。

それぞれの違いを、まずは表にまとめてみましょう。

薪の種類比較表

種類特徴おすすめの使い方
針葉樹 🌲スギ・ヒノキ・マツ火付き◎、燃え尽き早い着火や短時間の焚き火向け
広葉樹 🍂ナラ・クヌギ・カシ火付き△、火持ち◎長時間の焚き火や調理向け

燃え方の違いは“木の性質”にあった

では、どうしてこの2つの薪で燃え方に違いが出るのでしょうか?
その理由は、「木の密度」と「油分の量」にあります。

🔥針葉樹の特徴
針葉樹は木の繊維が比較的スカスカしていて、空気が通りやすい構造になっています。
さらに、樹脂(油分)が多く含まれているため、火をつけると一気に炎が立ち上がるという特徴があります。

これは着火時にはとても便利で、焚き火のスタートダッシュにはぴったり。
ただし、そのぶん燃焼スピードも速く、薪がすぐに無くなってしまうことも多いです。

🔥広葉樹の特徴
一方で広葉樹は、木の繊維がみっちり詰まっていて、密度がとても高いのが特徴です。
そのため、火が付きにくくなる反面、ゆっくりじっくりと燃え続けてくれます。
また、燃え終わった後にしっかりとした炭が残るため、調理や保温にも向いているんですね。

焚き火を快適にする薪の使い方

初心者の方でも実践しやすい使い分けを紹介します。

  1. まずは針葉樹で火起こし
     → 火が付きやすいため、マッチやライター、焚き付けとの相性が抜群です。
  2. 炎が安定してきたら広葉樹を投入
     → 火が安定したあとに追加することで、長く持続する焚き火が作れます。
  3. 広葉樹の熾火(おきび)で調理&暖
     → 火が落ち着いても炭火としてしっかり残るので、ダッチオーブン料理や焼き芋などにも最適です。
  4. このように「針葉樹でスタート、広葉樹でキープ」という流れが、焚き火の理想形とも言えます。

【コラム】薪の燃え方は木の構造が関係している?

「針葉樹はよく燃える」「広葉樹は火持ちが良い」と聞いても、なんで?と思った方もいるのではないでしょうか。

その理由は、木の“細胞構造”にあります。

🌲針葉樹は「ほとんどが仮道管(かどうかん)」だけ

ストローのような細い管が縦に並んでおり、構造が単純で空気が通りやすくなっています。
そのため、火が付きやすく、酸素もスムーズに供給され、勢いよく燃えるのです。

🍂広葉樹は「仮道管+道管(どうかん)」の複雑構造

広葉樹には水を通す太い管「道管」があり、それが複雑に入り組んでいます。
この密な構造によって、燃えるまでに時間はかかりますが、熱をじっくりと保つ力に優れています。

走査電子顕微鏡画像でわかる!薪の内部構造の違い

以下の画像は、針葉樹と広葉樹の構造の違いを視覚化したものです。

左側が針葉樹のスギ、右側が広葉樹ミズナラの断面構造のイメージです。

  • 針葉樹はシンプルで空気の通りが良く、火がすぐに回ります。
  • 広葉樹は構造が複雑で空気は通りにくいですが、しっかり熱を保って燃え続ける性質があります。

こうして見ると、薪の性質が構造から来ていることがよくわかりますね。
参考:森林総合研究所日本産木材データベース
※たくさんの木材の走査電子顕微鏡画像があるので、興味ある方はぜひ。超マニアックですが。

まとめ

  • 焚き火に使う薪は「針葉樹」と「広葉樹」がある
  • 針葉樹は着火性が高く、広葉樹は火持ちが良い
  • 木の性質(密度・樹脂)や構造(仮道管・道管)が燃え方に関係している
  • うまく組み合わせて使うことで、焚き火が格段に快適になる

さいごに

焚き火は、火をつけるだけでなく「火を育てる」楽しさがあります。
薪の選び方や使い方を知ることで、焚き火がもっとスムーズに、もっと楽しくなるはずです。

次のキャンプでは、ぜひ薪にもこだわってみてくださいね。

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